9月7日、羽田第3ターミナルのラウンジ巡り二軒目は、アメリカン・エキスプレスのセンチュリオンラウンジ。2025年7月16日にオープンした日本初のセンチュリオンラウンジで、世界では30軒目。開業から2か月足らずで、空間には新しい匂いが残るのに、サービスの呼吸はすでに整っていた。場所は114番ゲート近く、出国審査の先の上の階にある。

ジャパンブルーの、沈んだ空間
JALファーストが「明」なら、センチュリオンは「沈」だ。濃色のシート、モノクロ写真の壁、静かな休憩コーナー、そして藍染の磁器タイルの大壁面。ジャパンブルーがこのラウンジの基調色である。ロングバーは空間の舞台で、ボトルの棚とペンダントが暗さの中で光る。センチュリオン会員には専用の予約席とプライベートルームがあり、洗面所のグレーのタイルまで同じ調子が貫かれている。ただしこの日、そのブラックカード専用の部屋は専用とは言えないほど混み合っていて、特別感は先に割り引かれていた。






テーブルで注がれるシャンパン
ここのサービスは違う。シャンパンはバーへ取りに行くのではなく、スタッフがテーブルまで来て注いでくれる。グラス2杯とセンチュリオンカードが並ぶテーブル。入室の資格が、日常の風景の中に置かれている。


オープンキッチンとスイーツバー
食事について、まず規則から。すべての料理はセルフサービスだ。テーブルでの注文はなく、オープンキッチンまで歩いて注文し、待って、自分で席まで運ぶ。キッチンには尾崎牛の認定プレートが掲げられ、宮崎のブランド和牛を使う。作りたてのラーメンは湯気を残し、ミニバーガーのパティは本気の厚さ、ハンバーグは光るソースの下で脇役ではなく主菜だ。円卓にはラーメン、バーガー、和菓子、シャンパン2杯が同時に並び、窓の外にはエプロンの全景が広がる――ただしその一品一品は、自分の足で運んできたものだ。







もうひとつ、はっきり言っておくと、ここにはブラックカード会員専用の食事はない。オープンキッチンから出るものは、全員に同じように供される。バーには山崎12年のシングルモルトが分かる人を待つ。スイーツバーでは練り切りの和菓子が小さな季節の形に。最も日本らしい一幕はバーで起きる。茶筅で点てる抹茶は、まず熱い一碗を窓の外の青に向け、やがてアイス抹茶ラテになって抹茶最中と並ぶ。日本初のセンチュリオンは、地元の要素を徹底して取り込んだ。世界共通の型のコピーではなく、日本でしか育たないラウンジだ。空間の質も食事の底力も本物だ。だがセンチュリオンという名が売るのは専用感であり、この日それは果たされなかった。会員専用の食事はなく、料理はすべて自分で取りに行き、専用ルームは名ばかりの混雑。開業2か月のこのラウンジに、私の評価は81点。





