2026年4月30日、シルバーシーのシルバー・ムーンが東京・晴海埠頭に停泊する乗船日。18時過ぎ、最初の夕食はS.A.L.T. Kitchenへ。Sea And Land Tasteの名の通り、メニューは固定ではなく、船とともに旅をします。寄港地の味が、そのまま食卓に上るのです。


2冊のメニュー:TerrainとVoyage
テーブルには2冊のメニュー。Terrain Menuはその日の寄港地に着想を得たもので、今夜は東京。土地の風味と季節の特産が並びます。Voyage Menuは航海そのもののために書かれ、テーマは北太平洋。この海域の恵みと食の伝統を祝う内容です。ワインリストにも「WINE LIST / TOKYO」のページがあり、寄港地にちなんだ地元ワインが載っていました。



今夜の地元ワインは、オーストラリア・ヤラバレーのYering Station、Villageシリーズの2024年シャルドネとピノ・ノワール。まずボトルをテーブルで見せてもらい、白ワインが注がれました。爽やかな味わいが、続く魚介の良い幕開けです。


パンと前菜
ブレッドサービスは素朴な魅力。スライスパンはテラコッタの鉢に立て、小さな器には丸パン。黒い石板にはオレンジ色のスプレッドが2つと、小さなディップのカップ。食事の前に、気持ちがゆっくりほどけます。




前菜は両方のメニューから。Terrainは東京の味——鶏肉とねぎの串にタレの照りが光る「ねぎま焼き鳥」と、白身魚を刻んでしそ、レモン、千切り野菜と合わせた「なめろうタルタル」。爽やかな始まりです。Voyageからは、航海の先取りともいえる「キングクラブレッグ」。半分に割ったタラバガニにレモンを添えただけの、潔いひと皿。






Voyageの前菜をもう一品。「The Salmon Run」は、軽くポーチしたサーモンにまろやかなホースラディッシュクリームをかけ、赤いイクラを山盛りにしたひと皿。鮭の遡上を思わせる名前の通り、皿の上はオレンジレッド。フォークで口に運べば、イクラがそっと弾けます。




メイン:深川飯、鴨南蛮、ローストチキン
メインは3品、それぞれに物語があります。「深川あさり飯」は東京・深川の古い味。酒と味噌で煮たあさりを、千切りにんじん、揚げ豆腐、ごまとねぎとご飯に合わせた、家庭的で滋味深い一碗。「鴨南蛮そば」は温かいだし汁のそばにピンク色の鴨胸肉。鴨の脂の香りとねぎが重なり、メニューには「a Tokyo classic」とありました。Voyageの「ローストチキン」は金色に焼けた鶏もも肉に、リーキとじゃがいものコロッケ、アスパラガス、ミニにんじん、芽キャベツ。皿の底には濃いベリーのソースが、酸味で全体を引き締めます。








デザート:両方のメニューから少しずつ
デザートも両方から。Voyageの「抹茶ミルクレープ」は抹茶クレープとホイップクリームの層に抹茶アイスを添えて。Terrainの「日本のいちごショートケーキ」はジェノワーズとクリーム、いちごの層が端正に重なります。そして「あんみつ」はバニラアイス、あんこ、果物と寒天に黒蜜、ごまのチュイールをのせて。3種のデザート、4つの皿で、レストランの夕食は甘く締めくくられました。





食後はカフェへ
夕食の後は、まだ部屋に戻らずカフェへ。まずプチフールの皿——キャラメル色のマカロン2つ、チョコレートトリュフ4つとクッキー1枚。横にはカットガラスの小さなランプ。続いて温かい飲み物が2つ。泡のきめ細かいラテと、層の美しい抹茶ラテです。オレンジの肘掛け椅子、ピンクのクッション、背景にはバーの酒棚とエスプレッソマシン。船の夜がゆっくり流れていきます。






深夜のルームサービス
部屋に戻っても、まだ終わりません。23時近く、ルームサービスが夜食をスイートのリビングへ。円卓に白いクロスを敷き、チーズバーガー、ホットドッグ、麺のスープとクレームブリュレ、そして温かいお茶2杯がきちんと並びました。
バーガーは、ごまのブリオッシュにチェダーチーズのビーフパティ。かじると中心はまだピンク色。ホットドッグにはケチャップとマスタードのジグザグ、フライとオニオンリング付き。麺のスープは濃い色のスープに細い春雨と肉のスライス、レモンの輪切りが浮かびます。最後にクレームブリュレの飴をスプーンで割って——乗船初日は、深夜まで食べてようやく終了です。







